「何か面白い映画はないか」と物色していると、見つけてしまいました。
これほどまでにタイトルだけで観たくなった映画は、いままで無かったでしょう。
ノルウェーの映画で、原題は「Kraftidioten」
なんとなくオシャレですw
直訳すると「消失のために」となり、「失踪者」といった感じの意味みたいなのですが・・・
邦題がとんでもありません。
『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』
ファイティング・ダディも気になりますが、「怒りの除雪車」というパワーワードがたまりません。
目次
ファイティング・ダディ 怒りの除雪車
作品情報
監督:ハンス・ペテル・モランド
制作国:2015年ノルウェー
上映時間:111分
主演:ステラン・スカルスガルド
あらすじ
引用:Amazon Prime Video
主人公のニルスの息子が、知らない間にマフィアのヤク運びを手伝わされて、その仲間が一袋ヤクをくすねたせいで、マフィアのボスこと「伯爵」から目をつけられて殺されてしまうんです。
警察は単なる薬物中毒での事故としか扱ってくれなくて・・・
結果、ニルスは激オコになって自らマフィアに復讐を誓ったのです。
『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』タイトルだけで観てもいい映画NO1の内容とは・・・
善良な除雪作業員ニルス
冒頭の登場シーンから狂気じみています。
何て事のないひげを剃るシーンですが、剃り損じて頬を切っちゃうんですw
平凡な除雪作業員という設定ですが、その描写が只者ではないサイコパス感を漂わせているのです。
60ぐらいのおじいさんですが、このワルもの顔・・・
本当に平和に暮らしていたのでしょうか・・・。
銃を加工する復讐のダディ
のこぎりを使って器用に銃を切断して加工するダディ・・・。
普通ならここで、実は元CIAだとかスパイとかという設定が判明するのですが、ダディはただの平凡な除雪作業員なのです。
ノルウェーの除雪風景
見渡す限りの、白く深い雪に覆われたノルウェーの冬。
その雪かきはスケールが違います。
除雪に使われる除雪車もいかつく、自動車と同じぐらいのスピードで雪を巻き上げながら爆走します。
さぁ、ダディ。除雪車でやっつけてくれ!!
除雪車でマフィアたちを駆逐していくのかと思いきや、序盤はダディの剛腕が唸ります。
ダディが強すぎるのか、マフィアが弱すぎるのか、大抵ダディのパンチ一発(不意打ち)によって倒れますw
次にやっと除雪車でマフィアをやっつけるのか、と思いきやマフィアの前にまわりこんで除雪車から降りてパンチ。
とどめは自慢の改造銃でドカン。
マフィアをやっつけたあとの無人の車に、除雪車で体当たり・・・それ必要?
手際がよすぎるダディ
マフィアを一人一人仕留めては、冷たい沢へ投げ込みます。
このとき「アー・アー・アー」という教会チックな音楽が流れるのが、ものすごくシュールなんですw
ちなみに、この映画は人の命が尽きると画面が暗転して、十字架と名前が表示されるという演出があります。
これが続くと、段々ツボってきて笑けてしまうんですよね。
ダディのせいでマフィア同士が争う
ダディが伯爵をボスとする地元マフィアのメンバーを次々と抹殺するので、伯爵はセルビア系マフィアが黒幕だと勘違いして抗争をはじめます。
そして、ダディは結果的に2つの犯罪組織を壊滅させるのです。
物語も雑になっていきます。マフィアたちの不穏な会話のあとに、十字架と名前を唐突に表示するようになり、テンポよくどんどんマフィアたちが退場していきます。
最終的には最後の銃撃シーンでマフィア同士が撃ち合いになり、一人ひとりだった暗転表示が、まとめられるというがさつな手法がとられていましたw
最後は怒りの除雪車がボスをやっつける?
いよいよ激オコのダディが、除雪車ではない重機にのって登場、丸太を伯爵の車に突き刺すのです。
ちなみに伯爵にはつき刺さりませんでした。
しかも伯爵へのとどめはダディではありません・・・。
まさかのラストシーン
さらにラストシーンは衝撃的です。
戦いを終えたダディは、いつの間にか絆のできたセルビア系マフィアのボスと、除雪車でドライブ(ウイニングラン)しています。
遠くからパラシュートで落下してくる人が・・・。
この人は昨日の日中にスキー場から飛んだセルビアマフィアの一員・・・なぜ翌朝のここにこのタイミングで?
引きの画ですが、ここで唯一の除雪車の餌食になってしまいますw
ここで「あ、やっぱり笑ってよかったんだ」ってなるんですよね。
『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』まとめ
除雪車は移動手段?全体的に画が美しい
アクションなのかコメディーなのか・・・悩める映画でした。
全体的に真面目なのか、北欧のギャグなのか、シュールすぎてわかりませんw
割と除雪車は出てはくるけど基本的に移動手段で、それ自体で人を仕留めるのは最後のシーンだけなんですよね。
しかもその人はダディが仕留めなくてもいいマフィア側の人というw
とにかくこの映画は『怒りのファイティグ・ダディ』が最も適した邦題だったのかもしれません。
ですがやっぱり「怒りの除雪車」のワードがなかったら観ていなかったでしょうねw
映画『スノー・ロワイヤル』
そして、この作品がなんとハリウッドでリメイクされて、
『スノー・ロワイヤル』として現在全国ロードショー中なんです!!
『96時間』でおなじみのリーアム・ニーソンが主演です。
『ドラゴン・タトゥーの女』もそうでしたが、北欧の映画って、画が美しくていいですよね。期待です。
いぬくま!