親知らずを抜くときの恐怖体験


歯科治療苦手なんですよね。

その昔抜歯の際にうまく麻酔が効かずガン泣きした幼い僕に、

歯医者さんが「神経太いんじゃない?」と嫌味を言ったのです。

結局激痛のまま歯を抜かれたことがトラウマになりました。

大人になっても歯科治療は苦手で、いつも汗びっしょりになりながら治療をうけています。

行きつけの歯科医院の先生は優しい人で、

怖がりな僕を理解してくれていて、麻酔の注射も子供用なのか楽しい音楽が流れるような設定にしてくれています。

そんな先生も親知らずに関しては攻撃的で、

磨きにくくて虫歯になりやすいから4本全部抜いたほうがいいと勧めてくるのです。

左の上下の親知らずは虫歯になってしまったのをきっかけにしょうがなく抜いたのですが、右の親知らずはまだ無事です。

しかし、優しい先生は他の歯を治療が終わるたびに笑顔で右も抜こうと勧めてくるのではないですか。

あなたの親知らずは正常に生えているし気楽に抜けるよ、と。

先日、左の親知らずを抜いたときの記憶も薄れてきていたのと、右の親知らずを抜いたらスッキリするかなという期待感で、抜くことを決心しました。

気楽に抜けるそうですし。

僕が?先生が?

そして抜歯当日。

いつものようにピロピロと音楽が流れる注射器で麻酔を注入され、歯科治療用のベッドで横たわっていると、

首にかけられたエプロンが揺れるぐらい心臓が波打っているのに気づきました。

やっぱりコワイ。

麻酔が効くので痛くないのはわかっているのですが、万が一奥のほうが効いてなかったらどうしよう、という恐怖があるのです。

いざ先生が何かの器具を使って歯を抜こうとすると、無痛なのですがものすごい引っ張られる感覚が怖くて、一旦止めてもらいました。

すんごいコワイ。

上の親知らずの根っこと目の奥の神経がつながっているような感じがして、

このまま歯を抜くと失明してしまうかと思ってしまったのです。

解剖学的にそんなはずはないとわかっているのですが、謎の想像力が恐怖を掻き立てたのでしょう。

そして抜歯再開した瞬間には、あっさり抜けていましたw

ほら大きなのが抜けましたよと、歯肉つきの赤色に染まった歯を見せてくれる先生。

左の親知らずを抜いたときは、その歯を本当は持って帰りたかったのにカッコつけてお断りしました。

今回こそは抜いた歯を持って帰ってじっくり匂ったり観察したいと思っていたのですが、

あまりの恐怖体験でその歯を見た瞬間憎たらしくて捨ててくださいとお願いしました。

今は抜歯後の腫れや痛みもそれほどなく、ぽっかり空いた穴に食べ物が収納されることがあるぐらいで、

スッキリ感がやっぱりあり抜いてよかったと心から思えています。

しかし、まだ右下にはラスボスが潜んでいるのです。

今回上の歯だったので目に響く感じが恐怖だったのですが、下の歯はどうだったでしょうか。

いつか右下の抜歯も先生は勧めてくるのでしょう。

それまでに強くなれるよう生きようと思います。

 

いぬくま!