早朝のインターホン
早朝にインターホンが鳴りました。
まだ6時台で寝ていたのですが、これはただ事ではないと思いモニターを見てみると、ご近所のお母さんでした。
実は心当たりがあり、これはあまり良くない知らせだぞと直感しました。
一週間前の出来事
「心当たり」というのは一週間ほど前に、Qooの散歩コースで顔を合わすラブラドールのブラウニーに異変があったことなんですよね。
ブラウニーがいつものようにお庭にいたのですが、胸元に大きな傷跡が・・・。
驚いてお母さんに訪ねてみると「胸に腫瘍が見つかって放っておくと破裂する危険があったので緊急で手術した」とのことでした。
首の血管に巻き付くようにできた難しい腫瘍だったみたいですが、幸いに除去することはできたそうです。
しかし、残念ながら腫瘍は悪性のものだったので、お母さんはものすごく心配そうでした。
みんなから愛されるブラウニー
ブラウニーは1年ぐらい前に、ご近所にやってきました。
Qooの散歩コースにあるお宅のお庭に、ある日大きなラブラドールがいてこっちを見てたのです。
すぐに駆けよってきて、フェンス越しに挨拶してくれたのが印象的でした。
とにかく優しいワンコ。
それにしても子犬ではなく、なかなかの成犬だったのでたまたま遊びにきているワンコかな?と思ったのですが、その日以来よく顔を合わすようになりました。
特にSeikoは不審者のみたいに、毎日ブラウニーを撫でに行っていましたねw
フェンス越しではなく直に対面すると、全体重を押し付けてくるようにすり寄ってくるのが可愛くて、会うのが楽しみでいつもどこかにいないか探すようになりました。
たまに脱走して愛想を振り回して渡り歩き、みんなを虜にしていたようです。
そんなブラウニーの存在は特別で、子どもから大人まで地域のみんなから愛されるワンコになっていきました。
飼育放棄から保護
実はブラウニーが子犬じゃなかったのは、ご近所さんが成犬で迎い入れたからでした。
ブラウニーはとある家庭で暮らしていたワンコでしたが、飼い主さんが心の病気になられて飼育放棄されてしまったそうです。
そしてシェルターに保護されたブラウニー(推定10歳)を、ご近所さんが引き取ったということでした。
そういえば、やってきたころはだいぶ痩せ細っていました。
新しい家族に恵まれたブラウニーは幸せそうで、どんどん健康になっていくのを見て、こちらもあたたかい気持ちになりました。
突然の訃報
そんな矢先でまさかという思いでしたが、
早朝のインターホンは、術後の経過が思わしくなかったブラウニーが亡くなったという知らせでした。
アタマが真っ白になって、上手く話を理解できなかったのですが、とりあえずご近所さんのところへ行こうということになりました。
すぐにQooとSeikoとご近所さんのお宅に行くと、まだブラウニーはいました。
部屋に案内されてブラウニーと対面。
穏やかな顔をしたブラウニーはいつものように寝ているようで、最期は幸せだったんだろうな、と感じました。
お母さんは色々と後悔することがあったようですが、ブラウニーが愛にあふれて旅立っていったことは明確です。
ボクはブラウニーが飼育放棄されたと聞いて、ここへ来るまでずっとツラい生き方をしてきたと思っていました。
なので「こんなに優しい子なのは、きっと小さいときから愛されていたから」というお母さんの言葉には胸をうたれました。
お母さんたちのもとにやってきて、ちょっとだけでも幸せな時間を過ごせてよかった・・・。
というのは間違いで、ずっと幸せだったのですね。
また、早朝にお母さんがインターホンを鳴らしたのは、最期にSeikoに会って欲しいという気持ちがあったからだそうです。
Seikoとブラウニーの絆は特別で、ブラウニーはいつも親友のSeikoを探していたらしく、
特にウチの前を通るときはいつも立ち止まって、Seikoが出てこないか確認してたみたいですね。
確かに、ボクと出会ってもその先を見ていたような・・・。
虹の橋
お母さんがブラウニーの訃報を知らせてくれたとき、空を見上げると信じられないぐらいはっきりとした虹が出ていました。
よくワンコが亡くなったときに「虹の橋を渡る」と表現されますが、リアルに虹がかかっていて驚きました。
虹の向こうにも、何不自由なく穏やかに暮らす世界があるはず。
ありがとう、ブラウニー。
いぬくま!