冬本番の寒さがやってきましたね。
先日、自宅周辺でも積雪するぐらいの雪が降りました。
と思っていたら、こんなニュースにびっくりしてしまいました。
出典:http://news.livedoor.com/
冬の凍死者は、夏の熱中症死亡者の1.5倍もいるという話題でした。
この凍死とは雪山で遭難するということではなく、屋内での凍死が急増しているとのことでした。
出典:https://www.minnanokaigo.com/
そのほとんどが高齢者ということなのですが、その背景には日本の住宅の断熱性能が劣っているという問題もあるようです。
今回はこの凍死について調べてみました。
低体温症とは
出典:Wikipedia-低体温症
寒さで体の熱が奪われ、体の深部体温が35℃以下になり全身に障害が起きる症状をいいます。
人間の体温は通常36~37℃なので、35℃を下回るのは意外とすぐのような気がしますが、
生物の内部環境を一定に保ちつづけようとする恒常性が機能するので、一般的にはよほどのことがないとその状態にはならないはずです。
しかし、高齢者になればなるほど体温の低下を自覚しにくい傾向にあり、気づいたときには手遅れになるケースが多いそうです。
35℃になると筋肉がこわばるようになり、刺激への反応が鈍るようになります。
さらに体温が下がると思考力・判断力が低下し、体温が30℃以下になると昏睡状態に陥って生死の境をさまよう事態となるのです。
低体温症で搬送されたほとんどが屋内での発症
雪山で遭難、海に落ちた、酔っ払って道端で寝た・・・
低体温症で救急搬送される原因は、こんな感じだと思っていました。
高齢者の増加や、孤立して暮らす高齢者が増えたこと、重症化するまで発見されにくい、といった理由もあると考えられますが、
どうやら「凍死するほど日本の家が寒い」というのが、そもそもの問題のようです。
日本の家屋は断熱性能に劣っている
日本のような断熱性能の低い家屋では、全館暖房しようとすると光熱費がかかりすぎてしまいます。
なので、人がいる部屋だけを暖めるのが一般的です。
それは、トイレなどで部屋を出ると急に寒くて、その温度差で血圧が急激に変動しヒートショックを起こす原因にもなっています。
日本のように部屋によって部分的に暖房を入れるのに対して、諸外国では家全体を暖める全館暖房が一般的だそうです。
それだけ家がしっかりと断熱されているので、エネルギーを効率よく生かしているのです。
寒い部屋で寝るのは危険?
そんな家の断熱性能が劣る日本で、布団のぬくもりだけで就寝するのは非常に危険です。
その結果、10℃以下の室温になるような場合、布団をかぶって寝ていても睡眠時に低体温症になる危険があるのです。
断熱基準をさだめた法整備
日本には、住宅の耐震性能にはしっかりとした基準があるのに対して、これまで住宅の断熱基準が義務付けられていませんでした。
つまり、無断熱の住宅を販売しても許されてきたという背景があります。
近年では、そのような状態は健康面のリスクだけでなく省エネや地球温暖化対策にも逆行するとして、
国の制度として断熱基準を定める方向で議論を進められています。
まとめ
「このくらいの寒さなら我慢できる」
などと考えるのは危険かもしれません。
今後、国の住宅の断熱に対する制度が整備されると、寒い家屋は減ってくるのでしょうが、まだまだ日本の家屋は寒いのです。
低体温症のリスクを認知して、凍死しないように注意が必要ですね・・・。
いぬくま!