27日、ロシアでこんな事件が発生しました。
出典:日本経済新聞
トレチャコフ美術館で、ウクライナ出身のロシア人画家クインジの作品が白昼堂々と持ち去られたのです。
展示中の作品を、慣れた感じで壁から外して・・・
そのまま片手で持ち出して去ってしまいました。
周囲の来館者は職員だと思って、特に注意をはらわなかったそうです。
なぜ美術品は盗難されてしまうのか、今回考察してみました。
美術品の盗難データサイト
「Theft and forgery in the world of art」という美術品の盗難データサイトなるものも存在し、盗難のデータを集めて転売等を防ぐ役割をしています。
国際的な美術品盗難の年間推定被害額は約60億~80億ドル、年間5万~10万点が盗まれているそうです。
このように盗難データサイトが存在するほど、美術品の転売がはびこっている現状があります。
美術品を盗難する理由
有名な作品は盗んだところで盗品とバレバレなので、転売もできなさそうなものですが、犯人はなぜ盗んだのでしょうか?
②展示会のヤラセ(話題作り)
③作品の買い手がいて、依頼をうけて盗んだ
④裏取引に使おうとした(拳銃や麻薬の代金として)
⑤闇で転売できる
①②はさすがに違うでしょうが、③~⑤はありそうです。
多くのの窃盗犯は美術に精通していなく、美術品を盗んだものの、その行き先に困るケースが多いみたいです。
今回被害にあった作品の「価値」
美術品が盗難される背景は、単純に作品に資産価値があるからです。
今回被害のあったクインジが山の風景を描いた1908年の作品『アイ・ペトリ クリミア』は、100万ドル(約1億926万円)前後の価値があると報道されています。
名画の価格は高騰しており、資産価値があるのでこのような盗難は後を絶たないのでしょう。
ルパンのような大胆不敵な犯行
白昼堂々、展示会を開催中の美術館の多くの来館者の目の前で、展示中の絵画が平然と持ち去られたということもあって、
「ルパンのようだ!」
という報道が多くされていました。
しかし、よく考えてみてください。
ルパンは、決して善良な市民から盗みは行いません。
どこかに眠っている財宝か、悪党からお宝を盗むのです。
社会のルールや価値観から逸脱しているかもしれないけど、人として大事なとこは守っていたはずです。
しかも、今回の犯行は・・・
平然と絵画を盗んで、平然と逮捕されていますw
まとめ
美術品には芸術的な価値や希少性などで、歴史的・社会的・学術的にも守らなければならないものが多く存在します。
窃盗犯はその本当の価値がわからないので盗難するのかもしれませんね。
今回はすぐに犯人が逮捕されて絵画が無事に戻ってきましたが、
この世には、闇市場に流れ犯罪組織の資金源になったりして、そのまま闇に埋もれてしまった悲しい名画が数多く存在しています。
芸術家が安心して創作に励み、作品を展示できる環境を作るためにも、最低限のセキュリティは確保してもらいたいところです。
同じ窃盗犯であるルパンは、社会的に認められることはしていないのに、
多くの人に愛されています。
それはちゃんと「自分の美学」をもって生きているからです。
いぬくま!