加速ポンプ・・・。
いい響きです。
ボクのハーレー(05FXD)はキャブレター車で、純正のケイヒンCVキャブレターを、ミクニHSRキャブレターに換装しています。
HSRには加速ポンプが組み込まれていて、一時的に空燃比を濃くする機構があるんですよね。
ということで、今回は車体からHSRキャブレターを取り外し、
加速ポンプを分解して部品を交換すると同時に、各部のリフレッシュもしていきます。
目次
ミクニHSRキャブレター
加速ポンプとは?
最初はずっと勘違いしていました。
加速ポンプが作動すると、燃料が濃くなってターボのような加速をするものだと思っていたんですw
引用:加速ポンプ-Wikipedia
要はスロットル急開時に、加速ポンプで強制的に燃料を噴射して混合気が薄くなる症状を回避するもの。
燃料増量により適切な濃さの混合気とすることで、より運転者の意思に近い加速感や操作感が得られるというワケですね。
樹脂パーツの経年劣化で破損
加速ポンプのプッシュロッドを押す、樹脂でできたパーツがあるのですが、そこが経年劣化で割れてしまい、スプリングが外れてしまいました。
それ以降、加速ポンプは機能しなくなったのでした・・・。
とは言っても特別走りに支障がでるわけでもなく、そのうち修理しようと放置していましたw
がっつりとセッティングがあっている状態だと影響あるのでしょうが、そもそも大雑把なセッティングだったので、関係なかったのでしょうか?
ネオファクトリーで部品を注文
HSRキャブレターの分解図とにらめっこして、30番のアクセレーターポンプレバーを注文しました。
リプレイスパーツが簡単に手に入るので、また今度しっかりとオーバーホールしてみたいと思います。
ハーレーのパーツなら、ネオファクトリーさんでほぼ全部手に入れることができるのでありがたいですね。
車体からHSRキャブレターを取り外す
ではサクッとキャブレターを外しましょう。
エアクリーナーは、スクリーミンイーグルのステージ1エアクリーナーキットが組み込まれています。
フィルターとカバーの間に隙間テープをかまして、吸気効率を高めています。(多分)
フィルターを外すと、バックプレートがお目見え。
汚れていますが、これもガバッと外します。
HSRとご対面ですw
ホース類やワイヤー類を外して、あとはパワーで引っこ抜くだけ。
えいっ!
ふぅ。
それでは、しばしのお別れです。
取り外されたHSRを観察
久しぶりに横に寝てみたHSRさん。
こう見ると結構大きいんですよね。
まずはチョークケーブルを抜きました。
チョークケーブルをリフレッシュ
実はチョークレバーの固定部が樹脂になっていて、割れて固定できなくなってたんです。
半年前に。
なんでここが樹脂なの?と思いたくなりますが何か理由があるのでしょう。
何度もチョークを引っ張っているうちに、ポッキリと割れてしまいました。
こうなると方手ではチョークが引けなくなり大変不便です。
これを機に、新しいチョークケーブルに換えます。
CVキャブ用の安い(HSRキャブ用の半額)チョークケーブルなので、ジョイント部を移植して組みます。
できました!
加速ポンプを修理してみる
スロットルシャフトを抜く
さて、本題の加速ポンプの修理なのですが、ここを分解しなければなりません。
スロットルシャフトがあって、これを抜かなければならないようです。
ググってみても誰も修理していない領域・・・まぁネットにあげてないだけで修理されているんでしょうが、トライしがいがあります。
とりあえずトップカバーを外してみましょう。
う~ん?
よくわからない状態で分解したら、再び組み上げるのは不可能になるかも・・・。
このビスを外したらスロットルシャフトが抜けるのかな?
・・・シャフトは抜けませんでした。
そしてここからは集中しすぎて、ほとんど写真はありませんw
スロットルシャフトを固定するピン
もう一度分解図を凝視してみると、あやしい部分を発見しました。
スロットルシャフトを固定しているのは、先ほどのビスと、赤い丸で囲んだ2本のピン。
この小さい穴にピンが挿入されています。
「止ねじ」だと思って、ほっそい六角レンチを合わせてみるのですが合いません。
サイズにすると1.5と2mmの間で、六角レンチにそんな規格はない。
んん~??
と思ってパーツの形状を写真で確認してみると「止ねじ」ではない??
ググってみると、これは「スプリングピン」というものらしいのです。
スプリングピンが圧入されているので、ピンポンチというもので叩くと抜けるらしいのですが、そんなものありません。
ちょうど2mmの六角レンチがサイズ的に良さそうだったので、それでぶっ叩いたら、あっさりと抜けましたw
再び組み上げる
ピンが抜けると、スロットルシャフトが横にスライドできるようになって、加速ポンプを構成するユニットも外れました。
左がラムネみたいになって劣化した樹脂パーツ。
そして、問題の樹脂パーツを新しい部品と交換し、再び組み上げようとしたところで問題が発生しました。
組み上げがうまくいかないw
スプリングのテンションやら、パッキンの位置やら、ピンを打ちこむシャフトの角度やら・・・
ここは素人が分解してはいけない領域だったのかもしれません。
集中力も切れてしまい、とりあえず先日購入したキャブクリーナーで、この日はキャブの内部を洗浄しておくことしかできませんでした。
HSRキャブレターを再インストール
次の日・・・
早朝の驚異の集中力で、ようやく元どおりに組むことができましたw
落ち着いて再び生まれ変わったキャブレターを取り付けます。
チョークも復活!
ワイヤー類の調整もして、加速ポンプの作動も確認しました。
いよいよ始動!
さぁ、いよいよこの時がきました。
チョークを引いて、アクセルを捻りガソリンをキャブレターへ送り込みます。
そして、いつもの2倍の力でセルを押します。
キュルキュルキュル。
キュルキュルキュルキュルキュルキュキュキュキュ・・・。
・・・おかしい。エンジンがかからない。
もう一度ホース類がちゃんとつながっているか確認してみるのですが、問題はなさそうです。
おや?
キャブレターを外す時に、コックをOFFにしたのを忘れていましたw
再度、セルを回すと元気よく始動しました!
しかも、なんだかアイドリングの排気音が違います。
いざ試走!
調子よくて、思わず峠まで行ってしまいました。
行っただけですがw
それにしてもアイドリングからして調子よくなりました。
低回転でも安定しているし、何といってもグイグイ加速していくのです!
これは加速ポンプの働きというよりも、ジェット類をクリーニングした結果かもしれません。
加速ポンプの作動するタイミングも調整してみましたが、結局よくわかりませんでしたw
「HSRキャブレターの分解して加速ポンプを修理してみる」まとめ
どうして樹脂パーツ?という疑問は置いといて・・・
HSRキャブレターを分解して加速ポンプを修理してみると、驚きの加速を取り戻しました。
これはキャブレターのクリーニングの結果だと思いますが・・・。
試走して気がついたのですが、ボクのような乗り方をしていると、急にアクセルを捻ったりもしないので、
加速ポンプが機能してもしなくても、あんまり走りには影響ないのかもしれません。
それにしても、今回のHSRキャブレターを分解してから、もう元に戻せないかもしれないという不安は相当なものでした。
肝心の作業内容の撮影を忘れるぐらい、分解と組み直しに集中しました。
もう二度とここは分解しませんw
ノーマルのCVキャブレターと比べると、ダイレクトな加速感を味わえるのがHSRキャブレターの魅力です。
以前ジェット類の調整を一通りしてみたのですが、セッティングの迷宮に迷い込み、結局もともとの状態に戻したことがありました。
未セッティングの、いわゆるポン付け状態です。
加速ポンプが故障しても、チョークケーブルが破損しても、
それでもなんだかんだで調子よかったので、こんな大雑把なところもハーレーの魅力かもしれませんねw
いぬくま!