【関帝廟(かんていびょう)】神戸にある中国の寺院に行ってきた


関帝廟(かんていびょう)は神戸市中央区にある中国の寺院です。

ここでは、三国志でおなじみの英雄「関羽」が祀られています。

「関帝」は関羽のことで、「廟」は寺院のことですね。

たまたま資格の研修会場の近くに、異彩を放つ建物があったので寄ってみたのが関帝廟でしたw

住宅地にポツンとある極彩色の寺院なので、かなり目立っていましたよ!

Qoo
かんていびょう・・・??
ゲンキ
中国の寺院は初めてだなぁ~。

【関帝廟(かんていびょう)】神戸にある中国の寺院に行ってきた

関帝廟は神戸のどこにあるの?

神戸の観光地のひとつに、中華街の「南京町」がありますね。

関帝廟は中国の寺院なので、南京町の中にありそうなイメージですが、そこからは少し離れた住宅地にあります。

神戸市営地下鉄「県庁前駅」より西へ徒歩10分、阪急「花隈駅」西口より北へ徒歩10分。

車で行く場合は、専用駐車場はないのですが、周辺にコインパーキングがあります。

研修会場からはこんな感じで見えていました。

周囲の景観とだいぶ違和感があったので不安に思ったのですが、正面へまわって門をくぐってみました。

関帝廟にある独特な門

入り口にある「山門」

入口の「山門」からして、あからさまなチャイナ感。

真っ赤な柱に、反った屋根、さらにはツノが突き出ています。

額にある「関帝廟」の文字は、あの世界的に有名な書道家・于右任(元蒋介石の秘書)の筆によるものだそうです。

Qoo
誰??

前情報が全くない状態で訪れたので、この石碑の文字を見て「ああ、中国のお寺なんだ」と思って安心することができましたw

Qoo
どうせ、何かのあやしい宗教施設だと思ってたんでしょ?

山門をくぐると右手には「礼堂」があります。

ここは説教や講話などを行う所であり、華僑の葬祭の場に供され、俗世間との別れの儀式に使われているそうです。

左手には事務所と売店がありました。

登龍門とも呼ばれる「中門」

山門をくぐると、次は「中門」があらわれます。

このあたりで、美しい建築様式に見とれてしまいました・・・。

屋根の細部のいたるところに、日本の寺院では見られない興味深い装飾が施されています。

そのユニークな建築は、日本の大工棟梁が試行錯誤しながら独自の建築様式を作り上げた、とされているそうです。

Qoo
和洋折衷はよく聞くけど、中日折衷とは珍しいねぇ。

龍門は芸術作品である

その中門の内側に「龍門」があります。

黄河龍門の鯉が龍になる古事になぞられて、台湾で作られたものだそうです。

タイワンヒノキ(ベイラ)の一刀彫で、もはや芸術品です。

成功へといたる難しい関門を突破したことをいう「登龍門」ということわざがありますが、まさにこれが「登龍門」だったんですね。

中門から山門を覗くとこんな感じです。

見上げると、天井にも中国の故事から由来する模様が、透かし彫りされているのがわかります。

Qoo
 この「登竜門」をくぐると、出世の道が開けそうだね~!

中華会館から移された唐獅子

中門の両サイドには、それぞれ一対の石造りの唐獅子が鎮座しています。

台座には「光緒丁酉年桂秋吉立」と刻まれた文字が見えますが、これは1897年(明治30年)に建立されたという意味だそうです。

1945年(昭和20年)6月5日、神戸は大空襲に襲われて一面焼け野原になりました。

関帝廟も被害をまぬがれることができず全焼、中華会館も同様に被災したのでした・・・。

その後、この地で再建された際に、中華会館から移されたのがこの唐獅子だったのです。

看板に顔を入れて関羽になりきろう!

龍門のわきには、子供ごころをくすぐる顔ぬき看板があります。

関帝廟で祀られる主神は関聖帝君

つまり関帝廟の「関帝」とは、中国・三国志の英雄の1人、関羽のことです。

中国では商売の神様としても知られており、ここでも商才優れた華僑の守り神として崇められています。

Qoo
三国志ファンにはたまらないだろうね!

関帝廟 境内の様子

本堂の前で存在感を放つ「大香炉」

中門をくぐるって境内に入ると、本堂前に「大香炉」があります。

こちらも唐獅子と同様に、戦災で焼けた中華会館から移転してきたものです。

「光緒18年歳次壬辰年秋吉日立」の文字が刻まれていますね。

これは1892年(明治25年)に建立されたことを意味し、唐獅子と同年代に造られたということで、とても存在感のある香炉です。

神様にささげる紙のお金(神銭)を燃やす「金亭」

大香炉の右手にある「金亭」です。

中国では、神仏に願掛けをする時に紙銭を燃やす習慣があるそうで、この金亭に入れて燃やすみたいですね。

Qoo
日本の寺院とお参りの仕方も異なるみたいだね。

その隣には石板があり、どうやら関帝廟に関する何かが記されているのでしょうが、内容はわかりませんでしたw

八角形の屋根をもつ「四河(あずまや)」

大香炉の左手が「四河(あずまや)」です。

ここは雨をしのぐ休憩所で、憩いの場所とされています。

ここで詩人や墨客が庭園を望み、お茶でもたしなんでいたのでしょうか。

出典:南京町(神戸)wikipedia

Qoo
そういえば、あずまやは南京町にもあったね。

これぞチャイニーズカラーの「本堂」

寺院内は広くはないのですが、すべて新鮮で見どころが多く、本堂にたどり着くのに時間がかかりましたw

随所に中国風の意匠がみられ、なかでも屋根の上のにらみ合っている双龍が目を引きます。

ゲンキ
これぞまさに中国だね。

内部は撮影禁止だったのですが、中央に主神である関帝座像、両脇に関平・周倉を従え、右に聖観音像、左には天后聖母を祭祀していました。

本堂のそばには、ひっそりとちょっと変わった唐獅子像?が祀られていました。

Qoo
こちらも歴史あるものなんだろうね。

関帝廟 詳細情報

住所:神戸市中央区中山手通7丁目3−2
電話:078-341-2872
料金:無料
営業時間:午前9時~午後5時

ホームページ:関帝廟(一般社団法人中華会館)

毎月行事が行われているみたいです。

Qoo
「普度勝会」は中国のお盆にあたる行事だよね。

「関帝廟」まとめ

中国で最もよく信仰されている神といえば、多くの人が「関帝」と答えるそうです。

中国大陸には関帝廟はあちこちにあって、どこも参拝者でごったがえしているみたいですね。

日本国内では、神戸の他にも函館・横浜・大阪・沖縄にもあって、多くの華僑たちの心のよりどころになっているんでしょうね。

今回たまたま見つけた関帝廟でしたが、多くの発見があり勉強になりました。

関帝廟の独特の雰囲気は、神戸の観光のひとつとして向いているような気がしませんか?

南京町から少し離れた住宅地の中にあるので、立地的に不思議な感じもしますが、興味のある方は、足を延ばしていただきたいスポットです。

ゲンキ
とてもいい勉強になったなぁ~!
Qoo
神戸の中の中国がここにはあるね~。

 

いぬくま!