この投稿をInstagramで見る
Tenを迎え入れて1カ月。
Qooが旅立って、天から落ちてきたTen。
お互いに何も知らない状況での共同生活のスタートはぎこちないものでした。
「ブリーダーから保護した7歳の繁殖引退犬」
ということ以外の保護前の詳細な情報は得られず、どのようなトラウマを抱えているかもわからない中、
様子をみながらなるべくストレスのないようにしてあげるところから始めました。
しっかりとTenと向き合い、Tenの気持ちを理解することに集中した1ヶ月。
まだまだお互いに知らない部分も多いのですが、
いろんな喜怒哀楽がめぐる中で家族の絆は深まり、Tenはいなくてはならない存在となりました。
目次
保護犬カフェから我が家へ
保護犬カフェにて-twitterより
Tenと保護犬カフェで対面したとき「この子なら大丈夫」と運命的なものを感じ、そのまま連れて帰ることを即断。
保護犬カフェから抱っこして外に出た途端、身体をブルブル震わせながらボクの腕をギュッと掴んでいました。
これがTenにとって第2の犬生の幕開けです。
車に乗って自宅までの1時間はずっとブルブルハァハァ、どこか恐ろしい場所に連れていかれるんじゃないかという不安でいっぱいだったと思います。
自宅に着いてフカフカのベッドを用意してあげたのですが、そこにじっと座って申し訳なさそうにしているのが印象的でした。
だんだん眠くなってきたのかコックリコックリとするのですが座ったままで、身体を休めようとしません。
そっとしておくと、玄関の端に置いていた車用の小さなベッドに移動して一人で寝ていました。
この時にあらためてTenの犬生を背負ったというとてつもない責任を感じたのです。
太陽の光をいっぱい浴びよう!
次の日はお庭で太陽の光をいっぱい浴びさせてあげました。
ブリーダー元ではゲージの中や狭い空間にずっといたのかもしれません。
保護犬カフェも地下の施設で、保護されていた1ヶ月の間に1回しか外に出ていなかったようです。
太陽の光を浴びているのが新鮮で気持ちよさそうでしたが、こんなごく普通のことができてなかったのかと思うと、
とても悲しい気持ちにもなりました。
とても大人しい子?
どうしてもQooと比べてしまうのですが、Tenはおっとりしていて大人しい子です。
身体を拭こうとしたり、おむつをはかせようとすると、Qooならその場から走り去っていたはずですが、
Tenは全く動こうとせず、身を委ねてくれるのです。
歯磨きもシャンプーも不思議そうにじっと座りこんで、なすがまま。
というか、これは緊張して固まっているだけですよね。
そうやって生きてきたのでしょうが、逃げることを諦めているといった感じで切なくなります。
もっとQooみたいに思いっきり逃げてくれるようになったら嬉しいですけどね。
お散歩がうまくできない!
お散歩の習慣は無かったようで、リードをつけて歩いてみると最初は足元をぐるぐる回って前へ進みません。
いろんな匂いが気になって前に進んだと思ったら後ろに戻って右へ左へ・・・。
とにかく右往左往、縦横無尽にクンクン匂いを嗅ぎ続けるだけ。
でも、とても楽しそうに動き回っている姿に安心しました。
最初は抱っこしてQooといつもお散歩していたコースを歩くところから慣れさせて、
少しずつ声をかけながら前へ進む練習を続けると、なんとなくお散歩らしい形になってきました。
今は本当に楽しそうにシッポをあげて歩けるようになっています。
ブリーダーへの強い憤り
Tenと向き合うにあたってやはり避けられないのが、保護前のブリーダーでの暮らしについてです。
保護元にも尋ねたのですが、「ブリーダーは教えられない、どのような生活をしていたのかはわからない」ということでした。
ということは、おそらくそのブリーダーは健在なのでしょう。
ブリーダーは散々子犬を産ませて取り上げ販売し、子犬を産めなくなったらポイッと保護団体に丸投げ。
Tenに残したのはたった数文字の健康状態の告知だけです。
ワクチンは接種しているようですが、病院名の入った証明書等の身元がわかるものは消去済。
ゲージの中に閉じ込められていたの?
運動はさせてもらっていたの?
散歩は?
何を食べていたの?
トイレはどうしていたの?
他のワンコとも過ごしていたの?
どんな人に世話してもらってたの?
中肉中背の男性に特に吠えるのはなぜ?
どれだけ子犬を産んだの?
ねぇ、7歳までどう暮らしていたの(泣)???
保護と引き換えにTenの過去は消し去られたのです。
保護団体も保護した際の出所がわかっているのなら、せめてもう少し保護前の情報を里親に説明する責任を果たしてほしい、なんて考えてしまいます。
ブリーダーから保護したけど詳細は不明、ということだけ。
そこがどうも不透明だったのと、おなじような境遇の子がいたので、
ブリーダーは繁殖犬をどんどん生み出して、用無しになったら保護団体という受け皿に甘んじてるんじゃ?
実は保護団体とブリーダーとの間で協力関係ができているんじゃない?
行き場の無くなった保護犬猫をレスキューして里親と出会わせる保護団体の活動は素晴らしく思いますが、
このようなことを勘ぐってしまうのも事実です。
前に向かって進もう
Tenはいままで外へいく自分の子だけを見送る人生、死んだように生きていたのかもしれません。
失った過去はもう知ることはできませんが、ようやく外の世界へ出ることができました。
もうそれだけで十分ですよね。
この1カ月、ボク自身Qooが旅立って間もないこともあり、看病や看取りによる肉体的・精神的に弱っていたところは否めません。
正直なところ、しばらくワンコとの生活から離れて自分自身を整える期間も必要だったのかも知れません。
しかし、Tenを迎えれたことは大きな力となり、ボクたちをいきなり幸せにしてくれました。
もう一生分の「カワイイ」を言ったかもしれないぐらい「カワイイ」を連発しています。
Tenへの感謝のお返しは、ただただ愛情を注ぐしかできないのですが、
これからも心を寄り添わせて信頼を築けてゆけたら、とても強い絆と幸せが生まれるものだと信じています。
過去より現在、そして未来へ、前に向かって進むのみです。
保護犬猫を迎えるという選択肢もあるよ!
そしてもうひとつ、
ワンコを迎えるならペットショップもしくはブリーダーから直接子犬を、という考え方がスタンダードな日本において、
保護犬を迎え入れるという選択はまだまだ少数派なのかもしれません。
今回、それの犠牲になっているワンコがいることを知れば知るほど、子犬の生体販売について疑問しかなくなってしまいました。
だから、保護犬猫を迎えるという選択肢もスタンダードな考えとしてもって欲しいんですよね。
しかし、保護犬を迎えるといっても大変なことも多いのも事実です。
高齢だったり何らかの疾患やトラウマを抱え込んだ子がほとんど。
人に心を開いてくれるまでに、かなりの時間を要する子もいると思います。
だけど愛情をもって接すれば家族の一員として普通に生活することができるのです。
保護犬が見せてくれる安心した幸せそうな顔は、こちらも本当に嬉しくなりますよ。
もし、ワンコやニャンコを迎える機会がある方は、ぜひとも保護犬猫を検討していただけたらと思います。
と、せっかくブログをしているので、保護犬猫の啓蒙活動ができればと思って書いてみました。
いぬくま!